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臨床心理学
もともとはアルコール依存症の親の下で育ち、その事が様々な心身の症状の
原因となっている者を指す。
今は上記の場合に限らず心理的な問題をもつ家庭で育ち、様々な症状を呈する者をいう。
イド(エス)
フロイトの精神分析学では精神装置論の立場から人間の心を三つの領域に分けて考えた。
三つの内の一つがイドであり、快を求め不快を避ける快感原則に従う本能的な領域とされている。
エディプス・コンプレックス
男児が母親に持つ愛着とそれに伴う父親に対する対抗心等の事。
S・フロイトによると男児は母親に性的な愛着を持ち、この事が父親に罰せられるのではないかという去勢不安となり、それを解消するため次第に父親と自分を同一視して父親の特徴を獲得するという。

女児の場合はエレクトラ・コンプレックスという。
過剰適応
他人や環境に対して過剰なほどに適応しようとするために心理的な負担を本人が感じていたり、それによって何らかの身体的症状が現れる状態を過剰適応という。
メランコリー親和型の人にみられる尽力的顧慮と似ている。

快感原則

フロイトの用語で、人間は快を求め不快を避けるという原則の事。
⇔現実原則

解離性同一性障害
主に幼児期に受けた虐待が原因で一人の人間に複数の人格が存在する事。
それぞれの人格が交代で現れるために、主人格が記憶を統合する事が出来ない場合がある。
カウンセリング
カウンセリングは多義的な言葉だが一般的には相談者の話を聞くという方法で問題を解決する事であり、法律に関する相談など心理的な問題に限らない。

心理的な事柄に限定すれば、病気の治療方法としてのカウンセリングと、病気とは関係なく精神的な成長、発達を促すための教育的手段としてのカウンセリングを区別する見方と両方を含める見方がある。

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「カウンセリングの原理」のレビュー

カウンセリングの定義とそれに関連する分野の比較やカウンセリングの技法とその効果などカウンセリングの問題を扱っている。

カウンセリングと心理療法の違い

カウンセリングはいわゆる心の病ではない人の悩みを扱い、心理療法は心の病の人の治療のために行われる。
この定義は便利なようだが、そもそも心の病とは何なのかという難しい問題にぶつかってしまう。
著者によれば健常者の持つ悩みは環境の影響による一時的なものでありカウンセリングで解決可能としている。

また、会話を通じて行われる精神療法をカウンセリングと呼ばないとするとそれに新たな名称を与える必要があるだろう。

カウンセリングと関連分野

カウンセリングの土台になる分野として心理学、文化人類学、哲学などを挙げている。
また、精神分析、来談者中心療法などのカウンセリングの技法についても概観している。

まとめ

この本はカウンセリングの定義や技法だけでなく人を援助する立場にある人の心構え、職業倫理まで包括的に述べられている。

カウンセラーはある程度自己開示したほうが良いが、密着しすぎてはいけない、カウンセリングで必ず治ると安請け合いしない、カウンセリング以外の治療法もある事を教える、費用を明示する事などが指摘されている。
実際に誰かを援助する立場にある人にとっても役立つし、カウンセリングを受ける側の人もカウンセラーが自分の人権に配慮しているかを考えるための手助けになる。

文章は平易で例えも分かりやすく、読みやすい。
ただし、カウンセリングを心の病の治療と区別しているため、主に職業上のあるいは組織上の問題を解決する産業カウンセリングや学校での問題解決を図る学校カウンセリングが紹介されている反面、精神医学や精神障害の治療については触れられていない。

カタカナや心理学用語が多様されているので、読者に多少の予備知識が求められる。
無意識に抑圧されている事を言語化したり意識化する事。
葛藤
複数の選択肢が存在する時、取捨選択が難しく心理的負担を感じる状態。
主に三種類の葛藤がある。

接近と接近の葛藤

好ましい選択肢が複数ある状態。

接近と回避の葛藤

好ましい選択肢と好ましくない選択肢がある状態。

回避と回避の葛藤

好ましくない選択肢が複数ある状態。
狭義には家庭内で行われる身体的な暴力、広義には精神的な暴力や生活に必要な金銭をわざと与えないなどの嫌がらせをも含む。
日本で家庭内暴力という時は子から親への暴力を指し、ドメスティック・バイオレンスは配偶者間、恋人間の暴力を指す。
親から子に対する暴力的行為は児童虐待という事が多い。

家庭内暴力は状態を指す言葉であるが多くは精神病の影響による暴力を除外して語られている。
原因としては夫婦間暴力は男尊女卑、子から親への暴力は甘え(土井健郎による)とされている。

しかし家族療法の立場から見れば暴力を振るう本人だけを切り離して考える方法は退けられる。

検閲
イドの不適応的な衝動を抑える超自我のはたらきを検閲という、これは無意識のうちに行われる。
本来、夢は人間の願望が反映されているが、超自我の働きによって夢の内容が直接的なものではなく別のものに置き換えられる場合に検閲が行われていると考えられる。
現実原則
フロイトの用語で、出来るだけ衝動や欲求等を排して理性的に振る舞い現実に適応する自我の原則の事。
根本的には自我も快感を得ようとしているが、現実原則に従っている場合は我慢や努力等の工夫の結果として最終的に快感を得る事になる。⇔快感原則
固着
過去に自分が愛情を抱いていた対象やその時期にとどまる事、これにより退行が引き起こされる事がある。
抑圧されて意識されない複雑な感情、それに伴う考え、知覚や表象。
マザー・コンプレックスなど他の語と結びついて意味を成す事もあるが、通常、コンプレックスという時はインフェリオリティー・コンプレックス(劣等感)の事で、自覚されている短所、それが短所であるという考えの事を指している場合が多い。
フロイトが精神分析に於いて重視した言い間違い、聞き間違い、物忘れ等のしくじり行為の事。
錯誤行為は偶然のものではなく、意識されていない願望や嫌悪等の様々な意図によると考えられる。
自我
衝動、感情、知識などを統合する意識、特に精神分析学における心の三つの領域の内の一つを指す。
シャドウ
ユングの研究によるもので、普段自分が意識している理性的な性格とは正反対の衝動や欲求を擬人化したものを指す。
理性的であるほどシャドウは肥大化するとされている。
スチューデント・アパシー
精神科医ワルターの用語で、無気力、真面目、完全主義、勝ち負けに係わる場面を避けようとする等の特徴を持つ大学の長期留年者の事、あるいはそのような状態。
1960年頃のアメリカに多く見られた。
環境に適応出来ない時や、問題の解決策が見出せない時に現在の年齢よりも低い発達段階に逆戻りする事。
超自我
精神装置論における心の三つの領域の内の一つ。
幼少期に獲得された道徳や規範により快感原則に従うイドを検閲する無意識的な領域。
転移と逆転移
精神分析の場面において患者にとって重要な存在(多くは親)に向けられていた恐怖や愛着などの感情を分析医に投射する事。
分析医が患者に転移を引き起こす場合は逆転移という。
トラウマ
心的外傷、心の傷。
内観
実験者のもとで自己分析を行わせ、それを口頭で述べさせる事。
ヴント等の意識を重視する研究者が行った。
内閉的思考(自閉的思考)
ブロイラーの用語で、目的が意識されず、現実に適応しない漠然とした思考の事。
言葉によって他者に説明する事が出来ない。
言葉や仕草、表情である人物に対して相反する態度を示す事。
テストで悪い点を取った子に対して叱りながら嬉しそうな表情を見せる類。
破局反応(破局的反応)
以前には達成が容易であったが脳の器質的障害のために達成する事が出来なくなった課題を与えられた時にみられる反応で著しい混乱を特徴とする。
ゴールドシュタインによる用語。
パラ・カウンセリングとピア・カウンセリング
パラ・カウンセリング

カウンセリングを本職としない者が行うカウンセリングをパラ・カウンセリングという。
何をカウンセリングと呼ぶかによってパラ・カウンセリングの指し示す範囲もかわるが、想定される例として教師、精神科医以外の医者などが行うカウンセリングが考えられる。

十分な技量を持たない者が行うカウンセリングは効果の上で疑問視される反面、カウンセリングという技法が病院などの限定された場所以外にも浸透してきたと好意的に解釈する事もできる。

ピア・カウンセリング

ピアカウンセリングのピアは仲間という意味で、同じ境遇にある者同士が行うカウンセリングをいう。
カウンセリングを行うための訓練を受けた者が行うカウンセリングや自助グループにおける話し合いのような特別な目標を設定しないカウンセリングなどを指す。
社会と接点が無く家に閉じこもる事、或いはそのような人。
古くは統合失調症の症状として知られていたが、現在では精神病ではない者を指す場合が多い。
ヒステリー
古代ギリシャの時代から知られている神経症の一種。

精神分析学的に解釈すれば失声、手足の痺れ、嘔吐などの身体症状は抑圧されている何ものかが身体に転換(転換症状)される事により生じ、意識の消失や混濁などの解離症状は防衛機制の一つである回避によって引き起こされると考えられる。

ヒステリーは古代ギリシャ語で子宮を意味しその時代のヒステリーは女性特有のもので身体因性のものと考えられていた。
従ってヒポクラテスのいうヒステリーとフロイトのいうヒステリーでは違いがある。

尚、DSM(1980)においては転換症状を身体表現性障害、解離症状を解離性障害に置き換えられている。
葛藤等の心理的な苦痛を避けるために無意識的に行われる防衛の事。
母原病(ぼげんびょう)
母親の接し方が原因で引き起こされる子の身体的、精神的な病気の事。
この言葉は一時流行したが、母親の子に対する影響が過大評価されている点が批判されると共にあまり使われなくなった。
夢の内容によって吉凶を占ったり、神経症などの治療に応用するため夢を分析する事を夢判断という。
フロイトによれば夢の内容は願望を表し、夢判断士のアルテミドロスは未来を予言するものとしている。

夢判断の書
アルテミドロス 城江 良和

4772003967

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       3/5点中

「夢判断の書」のレビュー
2世紀末ごろエペソス(エーゲ海東岸)で活動したと考えられるアルテミドロスの著作。
アルテミドロスについて詳しい事は分からないが夢判断や手相占いなどを職業としていたらしい。

夢と睡眠中の幻覚

アルテミドロスは夢と幻覚を区別すべきとしている、睡眠中に空腹であれば夢の中で何かを食べる事があるがこれは幻覚であって未来を予言する夢ではない。
身体因性の幻覚は欠乏や過剰から心因性の幻覚は恐怖や願望から生じるとしている。

ただし、アルテミドロスは幻覚の原因と同じものから生じているのではないかと思われる「未来を予言する夢」を多く紹介している。
徒競走で勝つ夢は目標を達成する、病人の場合は人生の終着点に到達するなど。

夢の分類

夢判断を行うための大まかな分類を次のように示している。
直接的な夢と比喩的な夢、個人夢、他人夢、共同夢、公共夢、宇宙夢、少数が多数について予言する、あるいはその逆、良い夢が悪い現実を予言する、あるいはその逆。

物や出来事に関する吉兆の判断

足がたくさん生える夢をみると部下が増える、道で歌う夢は吉、貧乏人にとっては発狂、入浴は吉、病人は病気が治癒するなど非常に多くの事柄について吉凶の判断について述べられている。

吉凶の判断は文化や民族性の影響を考慮して行われるべきとしている。

まとめ

フロイトの夢判断と比べるとアルテミドロスの場合はより霊的で神話的な傾向があり、現実の出来事や物の類似性によって吉凶を占うというものである。
その反面、願望や不安、抑圧されたものが夢に影響を与えたり、比喩的な夢に特別な解釈を与えるという点は共通している。

夢を見たり、夢が未来を予言する原因については、神の力によるとか個人的な体験や記憶、教養であるとして見解が一貫していない。

アルテミドロスの狙いはいかに未来を予知するかという事であって必ずしも夢を見る人の心理に焦点を当てているわけではない。

占いの本として読む事もできるが日本人の見る夢の解釈の方法は述べられていない。
残念ながらこの本を読んでも心理学的な知識は得られなかったが、深層心理の解明に夢判断を用いる場合には直接的な夢と比喩的な夢などの大まかな分類や夢の分析方法は現代にも応用する事ができそうだ。
当時の習慣や風俗を知る上で価値のある資料である事は言うまでも無い。

リビドー
心的なエネルギー、フロイトの精神分析学においては特に性欲衝動を指しこれが様々な欲求の源泉と考えられていた。
両価性(アンビバレンス)
一人の人物に対して向けられる愛着と嫌悪のような相反する二つの感情を両価性という。

主に統合失調症者に見られる症状で、体を強張らせているが他人の力によって、体を受動的に動かすことが出来て、体の部位例えば腕を伸ばさせられるとその状態をいつまでも維持し続ける事をいう。

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