心理学連邦

記憶に関する用語/干渉説と減衰説

干渉説と減衰説

干渉説と減衰説は忘却が起きる仕組みに関する考え方である。
干渉説は、想起すべき記憶とは別の記憶が影響して(順行抑制、逆行抑制)、その結果、記憶が失われていくというものである。
減衰説は干渉が無くても、自然に記憶は失われていくという説であり、これの根拠としてエビングハウスの忘却曲線(保持曲線)が挙げられる。
その他、検索失敗説では記憶は保持されているが、思い出す手がかりが無いことが忘却とされ、抑圧説では、防衛機制の抑圧によって忘却が起きるとされ、不快な記憶は無意識の内に止められると考えられた。

記憶(memory)

何かを覚えること(記銘)、覚えた情報を蓄えること(保持)、思い出すこと(想起)の3つの段階の全体を指して記憶という。
また、覚えた情報のみを指すこともある。

記憶痕跡は情報が脳内で保持され、それが再生や再認される仕組みを説明した仮説である。
古い時代においては単なる比喩でしかなかったが、現在では脳内の神経細胞の記憶における役割を指し、一定の科学的根拠を認めることができる。
記憶痕跡の仮説によれば、何らかの情報(刺激)を得たときに、脳内に神経細胞と別の神経細胞を繋ぐ回路が構築される。
その回路に再度、刺激が伝わることによって記憶の再生や再認が行われるとされる。
構築された回路に繰り返し刺激が加えられて、より強固な回路になることを「痕跡強化(trace consolidation)」という。

ある情報を覚えることを記銘という。
「記憶」が記銘や覚えて蓄えた情報など広い範囲を指すのに対し、記銘は単に何か覚えることだけを指す。
符号化は、覚えようとする情報(刺激)を保持し、想起できるような状態に処理することをいう。
符号化には、新たに覚えようとする情報を機知の情報に置き換えたり、情報が持つ特徴によってチャンク化するなどいくつかの種類があると考えられている。

再生や再認のことを想起という。
また、厖大な記憶の中から、一定の法則に従って、思い出そうとすることを検索といい、検索という現象を示唆する記憶の種類に位置参照可能記憶 がある。

再生は思い出すためのヒントが無くても容易に思い出せることを指し、対して、再認はあるヒント、あるいは思い出そうとする情報そのものが提示された時に、それが既知の情報であることがわかることをいう。
ヒントを与えられずに書くことができる漢字は再生された記憶、書けないが読める漢字の場合は再認された記憶である。

忘却や干渉の影響を受けずに想起することができる状態に保たれることを保持、または貯蔵という。

覚えたはずの情報を忘れてしまうことを忘却という。減衰説のように記憶そのものが失われることだけでなく、検索失敗説のように記憶自体は残っているが思い出せないという場合も含めていう。

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