心理学連邦

暗記術その2/視覚イメージを使って覚える、プルースト効果等

意味を調べて暗記する

学習が進んでいない段階では、一見、無意味に思える語や数字であっても何らかの意味がある場合が多い。
ある事柄の意味や原因、目的を知ることで記憶をより想起されやすくすることができる。
例えば、「蕨」(わらび)という字の下の部分(音符)は掘るという意味で、上の草冠と共にわらびが地面を掘って芽を出す様を表している。
このようにして覚えれば、漠然と「蕨」という字を暗記するよりも効果的である。

ただし、円周率の暗記のようにそれ自体特別の意味を持たないものに意味を与えることはかなり難しい。
その場合は語呂合わせなどの別の暗記法を利用したほうが良い。

系列位置効果を利用して暗記する

系列位置効果とは、何かを記憶する場合に、記憶する順番によってその後の想起に影響を及ぼす現象をいう。
序盤と終盤に記憶された事は比較的、想起されやすいことが知られている。
このような現象は序盤に学習したことは、何度も思い出すなどのリハーサルによって、終盤の学習は、時間的に接近しているために想起が容易であると説明されることが多い。

この現象を利用して効果的に暗記するためには、長い時間をかけて一気に学習せずに、いくつかに分けて休憩を入れながら学習を行えば良い。
また、長期記憶においても同様の現象が起きることが知られていて、その場合は想起の際の手がかりに序盤と終盤の情報が利用されやすいためであると考えられる。
何かを学習する際に利用する教材を選ぶ場合も上記のことに注意する必要がある。
例えば、英会話の学習のソフトウェアを選ぶときは、一つのスキットや問題集などが極端に多いものは避けるべきである。
一度に学習する量が多すぎると中間に学習されたことを思い出すのはかなり難しい。
また、長期記憶における系列位置効果を期待する場合でも、精神的な疲労による記憶力の低下を防ぐために適度な休憩が必要である。

記憶力を高めるために匂いや音などを利用するという方法がある。
この方法は、音楽や香水、アロマオイルなどの効果によって脳の働きを活発にする事と、音や匂いなどと覚えようとする情報を関連付ける事に大別できる。
ゆっくりとしたテンポの曲やモーツァルトの曲が集中力を高めたり、リラックスさせる効果があるとされていて、実際、それを売りにしたCDも発売されている。
静かな環境の方が集中できるという人もいるので、すべての人に効果があるとは言えないのではないか。
ただ、気分転換としての効果ぐらいならあるのかもしれない。
また、静かな環境で学習したい場合は自然音を収録したCDを利用するとよい。
特に水の音は多少の騒音であれば紛らわしてくれる効果がある。

匂いが想起のきっかけになるという現象については「プルースト効果」と呼ばれる。
この現象を利用して暗記を行うこともできそうだが、10個の事柄を暗記するのに10種類の匂いを使うのでは、嗅ぎ分けることが難しいし、匂いが覚えようとする情報と全く関係が無い場合はどうやってそれらを関連付けるのだろうか。
しかも、匂いの素となるものを常に持っていなければ想起できないので、実用的な方法とはいえない。

視覚的なイメージを当てはめて暗記する方法は、文字や数字など映像を伴わない情報を暗記するのに効果的だ。
例えば、道路交通法を暗記するときに実際の光景を思い浮かべながら暗記する。
「ひとつの白線で区切られた路側帯では、自転車は通行できるが、原付は通行することができない」
という決まりを暗記するためには、実際に自分が見たことがある路側帯の中を、自転車と原付が並んで走行中に、偶然通りかかったパトカーが、原付のみを停止させて違反切符を切る様子をイメージするとよい。

視覚イメージを使って暗記する場合は、実際に見たことがある光景のほうが覚えやすいが、覚えようとする情報に当てはまるイメージが無いという場合もある。
数学の定理とか架空の出来事や大昔の出来事を題材にした物語をこの方法で暗記するのは、かなり想像力が豊かでないと難しい。

何かを記憶するときには、先ず、全体像を把握してから細部を暗記すると良い。
想起するときは細かい部分が思い出せなくても、大要は思い出せるということはよくある。
つまり、全体をまず想起して、それを細部を想起する手がかりにする。
例えば、本の内容を覚えやすくするためには、後書き、訳者解説、目次などに目を通してから読んだほうが理解しやすい。
特に自分が今までにあまり読んだことが無い内容の本を読む場合は効果的だ。

copyright© 2006-2008 3/12 ヒドラミン メール